こんどは背中 [腫瘤]
お久しぶりです
小春院長です。
ココのところ雪雪雪雪
ですね
駐車場の雪かきで腰を痛めそうです。
そろそろ若くなくなってきました……。
先日、以前にご紹介した「との ちゃん」
が、こんどは背中の『しこり』を切除する手術を行いました。
細胞を見たところ『表皮嚢胞』という良性の腫瘍なのですが
開いてしまっていますし、気にもなっているようなので
思い切って切除することになりました。
前回の乳腺腫瘍(検査結果は乳腺癌でした)
のときほど外科的侵襲(体のダメージ)や
麻酔時間は無いとしても
やはり、モルモットさんの麻酔は危険を伴うため神経を使います。
麻酔の負担を少しでも軽くするために事前に
色々と注射をしてからいざ手術です。
とのちゃんは強い子で、今回の麻酔も安定しており、
無事に手術を乗り切りました。
とのちゃんは術後の経過も良好で、
起きてすぐから牧草を食べていました。
長年のできものから解放されて
少しでも今後の生活が楽になるといいなぁと思っています。
余談ですが、年明けに他のモルモットさんの
乳腺腫瘍を切除しました。
こちらも乳腺癌でした…。
改めてモルモットさんには乳腺癌が多いんだと
実感させられますね。
皆さんもたまにおっぱいを触ってみて下さい。
こんなに小さくても [腫瘤]
こんばんわ
小春院長です。
最近は雨が多いですね……。
院内も入り口から雨が吹き込んでしまって……
掃除掃除です
今日はフレンチ・ブルドッグの
「りー ちゃん」のご紹介です。
リーちゃんは
『右後ろ足にできものが出来ている。昨日気がついた。』
との事で来院されました。
見た目はとても小さく、皮膚に「ポチッと」出来ているだけなので
自分も「心配でしたら針を刺して
中の細胞を見ておいたほうが良いですよ。」
と一応勧めてみたというくらいでした。
実際にとった細胞を見てみると
細胞の診断をする「専門医」では無い自分でも明らかにわかる
『肥満細胞』
が大量に出ていました。
『肥満細胞腫』です。
細胞の核や、形態を見たところそれほど『悪い』
印象は受けないものの(シロート判断)
ワンちゃんの場合は『肥満細胞腫』は
基本的に悪性の腫瘍です。
オーナー様もショックが大きかったご様子でした。
見た目がちょっとした「できもの」なだけに
中身とのギャップが大きいですよね
早期治療と言うことで『腫瘤切除手術』を
行うことになりました。
「肥満細胞種」はグレードやクラスによって
予後が大きく異なるため
術前に「血液検査」、「レントゲン検査」、「超音波検査」
を実施しました。
画像検査では「脾臓」という臓器が腫大していたことから
手術時に麻酔下で『針吸引検査』を実施することになりました。
麻酔をかけていざ手術開始です。
『筋膜』を剥がし、リンパ節を切除しています。
肥満細胞種は腫瘍の中でも特に『マージン』という
『余白』のような部分を
「広く・深く」 とっていくのが通例です。
今回は太ももで
あまり大きく切ると
皮膚が縫えない心配がありましたので
通常推奨されているマージンよりも
若干小さめの切除になっています。
『脾臓』の検査ではとりあえずですが肥満細胞は見つかりませんでした。
あとは取った腫瘤を検査センターに出して結果を待つばかりです。
手術から1週間
傷口のチェックに来院されました。
回復も順調で、もう少ししたらお風呂にも入れそうです。
検査センターからの結果は
『肥満細胞腫』 リンパ節転移(-) 脈管浸潤(-)
マージン(-)
という回答でした。
つまり
リーちゃんの腫瘍はきちんと取りきれていて、
他に転移している可能性は低いので
これで 「完治」 としていいんじゃないですか。
ということです。
その他、今回はオーナー様とご相談の結果、
肥満細胞の遺伝子検査もお願いしておりました。
興味のある方は 『追記』
ご覧下さい。
今回は結果がよかったので
これで治療も終了なのですが、
『脾臓』のことも併せて心配でしたら
一ヵ月後、半年後、一年後
とレントゲンなどの画像検査を受けることをお勧めし、
診察を終了としました。
腫瘍の治療は『早期発見・早期治療』
小さいイボでもちゃんと
検査をする 検査を受ける
ことが重要なんだなぁと
改めて考えさせられました。
頭くらい大きい!? [腫瘤]
急に寒くなりましたね。
小春院長です。
暑さにも弱いけど
寒いと冬眠(仮死)してしまう、
そんなゴールデンハムスター(キンクマ)の
「きん ちゃん」 のご紹介です。
きんちゃんは首のところが腫れてきたということで
来院されました。
『ここ2、3日で急に大きくなってきた。』
ということでした
見てみると自分の頭くらい大きい腫瘤が出来ていました。
注射の針をさして中身の細胞を確認してみると、
明らかによろしくない細胞がたくさん。
個人的な見解としては『リンパ腫』
という悪性腫瘍(癌)ではないかと思います。
オーナー様に悪性腫瘍の可能性が高いので早く早く取ってしまわないと
どんどん悪くなるが、
大きさと場所、
ハムスターであるため、麻酔が危険であること
を説明させていただきました。
オーナー様は迷うことなく
『取ってください』
とのこと
手術には命の危険が伴うことを再度説明させていただきましたが
お心は硬く、
手術をすることになりました。
眠くない、眠くないぞ!!
麻酔にかかったので手術開始です。
皮膚を切開して奥の腫瘤を出しているところです。
こうしてみても大きいですね
あと、もう一息で取れそうです。
さすがにこの大きさだと
頚動脈と気管に隣接しており、細心の注意を払って
それらから剥離しています。
縫合も終わり、麻酔から覚ましています。
麻酔から覚醒しましたが、まだ上手く起きられない様子です。
さすがに大手術だったため、まだまだおねむです。
オーナー様との相談の結果
摘出した腫瘤は検査センターには送らないことになりました。
こいつの正体ははっきりしないままですが、
はっきりしてもハムスターさんではその後
やってあげられる事が少ないので
それも良いのではないかと思います。
先日抜糸に来院されたのですが、
まだ傷のつきがいまひとつだったため、
抜糸は延期になりました。
場所が場所ですので慎重にやってきます。
食欲もあり、元気もいっぱいとの事で
これからは経過観察していくこととなりました。
腫瘤はあまりよろしく無いような印象ですので
再発、転移など起こらないことを祈っています。
ポリープ? [腫瘤]
こんにちは 小春院長です
今日は台風直撃
激しい雨風です。病院壊れないかな
先日来院されたジャンガリアンハムスターの「はな ちゃん」のご紹介です。
はなちゃんは陰部にできものができたとのことで来院されました。
特に食欲・元気も問題なく排尿・排便もできているとのことですが
やはり目に見えてできものがあると気がかりですよね。
診察の結果
それほど悪いものではなさそうだけど大きくなるようなら切り取る
方がいいのではないかと説明させていただくと同時に
ハムスターさんの全身麻酔はワンちゃんたちと比べると
かなりリスクが高いので一度検討していただくことにしました。
数日考えられた結果、やはり腫瘤は切除されたいとの事でしたので
全身麻酔下の手術を行いました。
陰部の腫瘤を切除しています。
切除完了しました。
腫瘤は膣粘膜から発生していたため、膣のポリープ
ではないかと思われますが、今後の経過が気になるところです。
一週間後に術部の再診をお願いして、この日は元気に帰っていきました。
また出来てこないといいですね。
続・乳 [腫瘤]
こんにちは
小春どうぶつ病院 院長です
今日は先日ご紹介したモルモットの「との ちゃん」の
続報です。
術後も経過は問題なく、よく食べ、よく便も出ています。
元気元気といったところのようです。
病理検査の結果が返ってきました。
結果は
左乳腺は 「乳腺腫瘍」と「乳管拡張」
右乳腺も同様で「乳腺腫瘍」「乳管拡張」にプラスして
一部分が「乳腺腺癌」という結果でした。
右の乳腺は悪性の「癌」という結果でしたが
マージン(-)、脈管浸潤(-)
と言うことで
きちんと切除でいている、遠隔転移の心配も少ない
という結果でした。
オーナー様に
早めに取っておいてよかったですね
というお話をしたところ
「今でも正直なところ本当に切除という選択をしたことが、うちの子にとって良かったのか、
正直迷っていました。
とってよかったんだということがわかって楽になったような気がします。」
と仰っておられました。
今回は「とりきれている」ということだったためでしょうが、
「悪性」の「腺癌」でしたという結果でも
オーナー様の気持ちが楽になることもあるのだなぁということもあり、
少し検査料金は高級ですが、「病理組織検査」は
できるならやったほうがいい検査なんだなぁと改めて感じさせられました。
あとは『抜糸』まで大人しくしていられるかが、
オーナー様の一番の悩みになりそうです。
乳 [腫瘤]
こんにちは
小春どうぶつ病院 院長です
今日は午後からお天気が優れませんね…。
いよいよ入梅でしょうか。
今日はモルモットの「との ちゃん」をご紹介します。
「との ちゃん」は『乳腺』が腫れてしまって、長く『抗生剤』を飲んでいることと
最近少し食欲が落ちてきていることを主訴に来院されました。
乳腺からの『分泌物』を検査したところ
乳腺からの分泌液なので当たり前ですが
乳腺細胞がメインで白血球という炎症性の細胞はあまりありませんでした。
ただし、細胞塊が多く出ており、
乳腺炎もしくは乳腺腫が疑われました。
これまでの経過では抗生剤を飲んでしばらくすると良化するらしいのですが
やめるとまた悪化してくるので
どうしても長期間の抗生剤の投薬を余儀なくされていること
悪化すると痛みがあるのか『鳴く』という事から
全身麻酔をかけての乳腺切除手術をお勧めしました。
やはり、『モルモット』という動物種の問題から
麻酔のリスクがワンちゃんやネコちゃんよりも高いという事がネックとなり
オーナー様も迷っておられたため、
まずは抗生剤と腸管のお薬の投薬からはじめることになりました。
投薬開始して1~2週間で大分乳腺の腫れは落ち着いてきて
痛みも軽減しているというお話でしたが
投薬をやめると再び痛くなってきてしまいました。
やはり乳腺は切除してしまったほうがいいのではないかと思い
まずは麻酔のリスクを少しでも軽減するために『血液の検査』を行うことになりました。
自分のテクニックの問題もあり、採血量があまり多くは無かったため
(モルモットさんの採血は難しいんです)
ピンポイントで『貧血』の値と『腎臓』の値を調べたところ
特に問題の無い値でしたので
オーナー様と相談の結果『乳腺摘出手術』を行うことになりました。
全身麻酔はやる側もかなり気を使うのですが
特にモルモットさんなどのいわゆる
『エキゾチックアニマル』
と呼ばれている動物さんたちは特に気を使います。
スタッフの中にはモルモットさんの麻酔を見るのが初めてのものもおり
かなり緊張した様子です。
そんな周囲の心配をよそに
とのちゃんの麻酔状態は安定しており
無事に両側、二つの乳腺の切除を乗り越えました。
術後、麻酔からさめた後の状態もよく
起きたらすぐに牧草を頬張っていたので一安心です。
再生できない場合、ダウンロードは🎥こちら
オーナー様との相談の結果
今回切除した乳腺組織は
病理組織診断検査に提出することになりました。
切除した感触としてはそれほど『悪い』ものではないように思いますが
良い結果が返ってくることを祈っております。
続・お腹のできもの [腫瘤]
こんにちは
小春どうぶつ病院 院長です。
この前ご紹介した「チェリー ちゃん」のお腹のできもの
検査センターから結果が返ってきました。
結果は「基底細胞腫」
上皮系の「良性」腫瘍でした。
完全に切除されているため、予後は良好でしょうという事でした。
オーナー様も「良性」という結果に安心されたのか笑顔がこぼれておいででした。
オーナー様によるとチェリーちゃんの術後経過も良好なようで、
日向ぼっこをしているとのこと。
また、元気な姿で来院してくれると嬉しいですね。
お腹のできもの [腫瘤]
最近暖かく桜も満開。
今日もいい天気で、仕事を休んでお花見に行きたいですねぇ。
今日は先日来院されたネコちゃんについてお話したいと思います。
今年8歳になる「チェリー ちゃん」です。
1年前からお腹に「できもの」ができていて、ここ1ヶ月くらいで急に大きくなってきたという事でした。
お腹には大体14mmの「腫瘤」(できもの)ができていました。
注射の針を刺して検査したところ、
あまり嬉しくない「細胞」が…。
普通の組織ではこの様に「細胞塊」(かたまり状)でとれてくることはありません。
細胞的には「上皮系」の腫瘍だと思われます。
ただし、針を刺しての検査では「良性」か「悪性」かまではわかりません。
今回は「腫瘤」が増大傾向であること、細胞の所見から早めの切除を実施しました。
チェリーちゃんは術前の血液検査は「問題なし」
まだまだ元気ですね。
麻酔も問題なく手術は無事終了。
細胞の所見から少し大きめに切除しました。
「腫瘤」の中身は実質状だったので、この「腫瘤」を検査センターに出して
「病理検査」をすることになりました。
検査結果はまた後日です。
「良性」であることを祈っています。