乳 [腫瘤]
こんにちは
小春どうぶつ病院 院長です
今日は午後からお天気が優れませんね…。
いよいよ入梅でしょうか。
今日はモルモットの「との ちゃん」をご紹介します。
「との ちゃん」は『乳腺』が腫れてしまって、長く『抗生剤』を飲んでいることと
最近少し食欲が落ちてきていることを主訴に来院されました。
乳腺からの『分泌物』を検査したところ
乳腺からの分泌液なので当たり前ですが
乳腺細胞がメインで白血球という炎症性の細胞はあまりありませんでした。
ただし、細胞塊が多く出ており、
乳腺炎もしくは乳腺腫が疑われました。
これまでの経過では抗生剤を飲んでしばらくすると良化するらしいのですが
やめるとまた悪化してくるので
どうしても長期間の抗生剤の投薬を余儀なくされていること
悪化すると痛みがあるのか『鳴く』という事から
全身麻酔をかけての乳腺切除手術をお勧めしました。
やはり、『モルモット』という動物種の問題から
麻酔のリスクがワンちゃんやネコちゃんよりも高いという事がネックとなり
オーナー様も迷っておられたため、
まずは抗生剤と腸管のお薬の投薬からはじめることになりました。
投薬開始して1~2週間で大分乳腺の腫れは落ち着いてきて
痛みも軽減しているというお話でしたが
投薬をやめると再び痛くなってきてしまいました。
やはり乳腺は切除してしまったほうがいいのではないかと思い
まずは麻酔のリスクを少しでも軽減するために『血液の検査』を行うことになりました。
自分のテクニックの問題もあり、採血量があまり多くは無かったため
(モルモットさんの採血は難しいんです)
ピンポイントで『貧血』の値と『腎臓』の値を調べたところ
特に問題の無い値でしたので
オーナー様と相談の結果『乳腺摘出手術』を行うことになりました。
全身麻酔はやる側もかなり気を使うのですが
特にモルモットさんなどのいわゆる
『エキゾチックアニマル』
と呼ばれている動物さんたちは特に気を使います。
スタッフの中にはモルモットさんの麻酔を見るのが初めてのものもおり
かなり緊張した様子です。
そんな周囲の心配をよそに
とのちゃんの麻酔状態は安定しており
無事に両側、二つの乳腺の切除を乗り越えました。
術後、麻酔からさめた後の状態もよく
起きたらすぐに牧草を頬張っていたので一安心です。
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オーナー様との相談の結果
今回切除した乳腺組織は
病理組織診断検査に提出することになりました。
切除した感触としてはそれほど『悪い』ものではないように思いますが
良い結果が返ってくることを祈っております。
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