結晶 [治療]
こんばんは
小春院長です。
なんだか最近暖かい日があったり、寒かったりと
ちょっと落ち着かない感じですが、
冬の晴れ間、ちょっと気分もいいですね
今日はモルモットの「チビ ちゃん」のご紹介です。
最近お腹が大きくなってきて、
何か悪い病気なのではないか、、、と
心配されたオーナー様がお連れになりました。
実はチビちゃんは以前にご紹介したチョコちゃんのお家に新しく
お迎えされたモルモットさんだったのですが
2匹とも男の子と言うことで同居していました。
ところが診察してみると明らかに女の子です。
お腹を触診すると、子供の頭骨と思しきものが触知できます。
超音波を当てて確認すると
子供の心臓が動いているのが確認できました。
間違いなく妊娠なので
後日レントゲンをとりましょうということにして診察を終えました。
オーナー様は病気では無く、安心し、
同時に妊娠であるという事実に驚き・戸惑い・喜んでいらっしゃいました。
チビちゃんは若いのであまり心配要らないと思いますが、
モルモットさんは帝王切開になることも多いことをお伝えしたと同時に
今後は仲のいい2匹を別々に飼っていかないと
どんどん子供も増えていくことや、連続した妊娠で「妊娠中毒」にかかる
可能性があることもお伝えしました。
後日、チビちゃんの健康状態には問題が無いということで
レントゲンを撮りました。
胎児はかなり大きくなってきており、
どんどん大きくなるようだと
骨盤腔を通れなくなるかもしれないこと
生まれる時期が近いのではないかということを
お伝えしました。
それからしばらくしても胎児は生まれてこず
どんどん膨らんでいくお腹に
オーナー様の不安も膨らんで
陣痛も微弱そうであることや、胎児の大きさから
帝王切開に踏み切ることになりました。
手術前に点滴の注射を打ち、
ガス麻酔をかけて、、、いざ手術です
これ以上の出産を望まれないことと
今までどおりに2匹一緒に飼っていきたいというオーナー様の希望から
避妊手術も同時に行っていきました。
子供を取り出した後、
一気に腹圧が下がるために血圧が下がり、
一時的にチビちゃん自体の呼吸も止まりかけましたが、
麻酔師の適切な麻酔管理により再び力強い呼吸に戻り
無事に手術を終え、覚醒することが出来ました。
麻酔から覚醒後のチビちゃん
子供を眼にしても状況が飲み込めない様子
とっても不思議そうな顔をしていました。
本来なら生まれてすぐに「初乳」という
抗体や、その他もろもろ重要なものの含まれたお乳を飲ませないと
いけないのですが、チビちゃんは
まったくといっていいほど乳腺が張っておらず
搾っても出ませんでした。
そのままにしておくわけにも当然いかず
人の手で哺乳しています。
一番小さい子でも75gとそれほど
小さいわけでもなかったのですが、
お母さんがお乳をあげられない場合は生存率が低くめです…
せっかく生まれた愛の結晶
何とか無事に育っていってほしいと思います。
とりあえずは次の診察時にチビちゃんが元気で
またお目にかかれるといいなぁと
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