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袋には届かなかった… [予防]

お久しぶりです 小春院長です。

更新が滞っております。


今日はトイプードルの「タク ちゃん」のご紹介です。

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病院に来てちょっと不安そうですね


タクちゃんを最初に拝見したのは「足を捻ったようで痛そう」と

夜間診療にいらっしゃった時で、

そのときには「虚勢済み」なんだろうと思っていました。

次に「お耳の赤味」で来院された際に

去勢手術は受けておらず、獣医さんにはお腹の中に睾丸が有るんだ

と言われているとのことでした。

よくよく触ってみると、皮膚の下に睾丸らしきものが二つ触知できます。

ハッキリとしたことは言えないが恐らくは「皮下陰睾」でしょうと。

オーナー様も「いつかは手術と考えていたんです。」

と仰るので具体的に手術のお話を進めていきました。


術前検査として血液検査を行うと、

2歳という若さながらALTという肝臓の値が正常値の

4倍ほどに成っていました。

食生活について聞いてみるとジャーキー等も食べているということもわかり、

ジャーキーの禁止と肝臓のお薬の投薬を開始しました。

2週間の投薬と食生活の改善で、手術当日には肝臓の値は正常範囲より

「ちょっと高い」くらいまで落ち着いてきていたことから

点滴をしながら全身麻酔下の手術を行うことに成りました。


 麻酔下で確認してみてもやはり皮膚の下に睾丸が有るようでした。

taku3.3.jpg

今回は睾丸の場所が陰嚢の近くまでおりてきていることもあり、

皮膚の切開箇所は一カ所で行うことができました。

taku.jpgtaku2.jpg

手術直後はさすがに痛そうですね 


 手術後に入院室でお迎えを待っている間は

何となく陰部に違和感が有るようでなかなか寝付けない様子でした。

taku4.jpgtaku5.jpg

 お迎えを待っています。麻酔からの覚醒も速やかでした。


術後の経過もよく

一週間後の再診時には抜糸も済み

すっきりです。

taku6.jpg抜糸しました


今後もしばらくの間は肝臓の投薬を続けていただくこととし、

また後日血液の再検査をしながらお薬をやめていくようになります。

タクちゃんのように「精巣」が「陰嚢」まで降りてこなかったものを

「潜在精巣または陰睾」というのですが、両方とも陰睾の場合は

造精機能が無いため繁殖は出来ません。

さらにこれらの精巣は将来的に「腫瘍」になるケースが多いのです。

腫瘍化すると大きくなってしまうので、

傷口が大きくなってしまうことはもちろん

多くの場合は高齢になってから腫瘍化してくるために『麻酔』のリスクが

上がってしまいます。

病気になる前に予防的に手術をする。

若いうちに麻酔をかける。

事を当院ではお勧めしています。

繁殖する予定が無い場合は精巣に問題の無い子でも

去勢手術をするメリットのほうが大きいため基本的にはお勧めしています。

詳しくはご相談下さい。


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