お腹の中に残って… [治療]
こんにちは
小春院長です
最近だんだん暖かくなってきましたね。
近所では「ノミ」や「ダニ」
発生してきたみたいです。
よくお散歩に出かけるワンちゃんは予防のお薬を
つけたほうがいい時期になってきました
今日はスコティッシュ・フォールドの
「こたろう ちゃん」
のご紹介です
こたろうちゃんはそろそろ半年齢になるので
予防の意味も込めて去勢手術に来院されました。
ところがこたろうチャン
左側の睾丸しかありません。
右側はいわゆる「潜在精巣」または「陰睾」
という状態でした。
ワンちゃんではたまに見られるのですが、
ネコちゃんではなかなかみられることがない
もしくはなかった状態です
純血種 というのがポイントなのかもしれません。
こたろうチャンは
皮膚の下を探してみても「睾丸」らしきものが見つけられませんでした。
ネコちゃんの場合は「皮下陰睾」は少なく
大抵の場合で「腹腔内」
にあるので、今回もそうではないかということで
開腹手術を行うことになりました。
ただし、ネコちゃんの陰睾はなかなか見つけられない
こともあることをご説明させていただきました。
さらにこたろうチャンは心臓からも「心雑音」が
聴取されていることから
術前にレントゲンで心臓の大きさをチェックしました。
レントゲンで見ると
やや、気になる陰影ではあるのですが
概ね問題ないと判断し、手術決行となりました。
こたろうチャンの場合はまだ成長期であること
聞こえてきている雑音が
「収縮期駆出性心雑音」
であることから、「生理的」な雑音である可能性も考え
今後は経過を観察していくことになります。
左側の精巣は通常の術式で切除し、
右側の精巣は腹腔内より精管を辿って引っ張ってきました。
陰嚢に収まらず、腹腔内に居残っていた精巣は
通常のものよりも小さいです。
以前にワンちゃんの潜在精巣の手術をご紹介しましたが
ネコちゃんの場合もワンちゃんと同様に
病気になりやすいこと
造精機能はなくても
ホルモンは出すこと
から、若いうちにとってしまうことをおすすめしています。
ネコちゃんのスプレー行動…
やられると結構大変なんで
これでこたろうチャンも安心ですね
コメント 0